毎月のCSV加工を「レシピ」にして、次から落とすだけにするアプリを作りました
CSVを読み込んで、絞り込み・計算・集計・グラフまでを画面で組み、その手順を保存して翌月も使えるWebアプリ「CSVレシピ工房」を作りました。データはパソコンの外に送りません。

毎月同じ形のCSVを Excel で開いて、同じ加工をして集計する。この作業を「ファイルを落とすだけ」にするWebアプリ、「CSVレシピ工房」を作りました。ブラウザで開くだけで使えて、読み込んだデータはパソコンの外に送りません。
https://csv-recipe-studio.pages.dev/
毎月の「いつもの加工」が面倒
事務の仕事では、システムから出したCSVを毎月同じ手順で加工する場面がよくあります。不要な列を消して、空欄の行を除いて、計算列を足して、条件で絞り込んで、部署や学年ごとに合計する。1回ならすぐ終わります。面倒なのは、これが毎月来ることです。くり返すうちに手順を1つ飛ばしたり、範囲を選び間違えたりします。
自動にする方法がないわけではありません。Power Query やマクロ(VBA)があります。ただ、Power Query は画面が難しく、マクロは作った人がいなくなると誰も直せません。それに、氏名や金額が入ったCSVは、外部のWebサービスに上げられない職場がほとんどです。
なので、画面の操作だけで手順を組めて、その手順を翌月も使えて、データは手元から出ない。この3つがそろうものを自分で作ることにしました。
使い方
1. CSVを入れる
ファイルを画面にドラッグすると、文字コード(Shift_JIS/UTF-8)、区切り文字、見出し行の位置、列の型(数値・文字・日付)を自動で見分けます。判定が違っていたら、画面で直せます。
「¥」「,」「円」が付いた金額や全角の数字、「△」「▲」で書かれたマイナスも、数値として読みます。会計や学校のシステムから出したCSVでよく見る書き方です。
2. 手順を積み上げる
「列の削除」「空欄行の除外」「計算列」「行の絞り込み」などを、1つずつ手順として足していきます。列の見出しを押すと、その列に使える操作がすぐ選べます。
計算列は [請求額] - [入金額] のように、Excel に近い書き方で作れます。手順を選ぶとその時点の表が出るので、どこで行が減ったのかを後から確かめられます。
3. 集計・グラフ・警告
ピボットで「学年ごとの未納額の合計」のような表を作り、そのまま棒グラフや円グラフにできます。日付の列は、年・年度(4月始まり)・月・四半期でまとめられます。
「未納額が5万円を超えたら赤」のような警告ルールも付けられます。引っかかった件数は画面の上にまとめて出て、Excel に書き出したときもセルの色として残ります。
4. レシピにして、次からはファイルを入れるだけ
ここまでの手順を「レシピを保存」でまとめて保存します。翌月、同じ形のファイルを入れると、ファイル名と列の並びから使うレシピを提案してくれます。「適用」を押せば、全部の手順が自動で走ります。
月によって列名が「入金額」から「入金済額」に変わっていることもあります。そのときは対応づけの画面が出るので、どの列に当たるかを選び直せばそのまま続けられます。
結果は CSV(UTF-8/Shift_JIS)、Excel、印刷用の PDF で書き出せます。レシピは JSON ファイルとして書き出せるので、後任の人に渡せば同じ処理をそのまま使ってもらえます。手順ごとに説明メモも付けられます。
データを外に出さない仕組み
CSVの読み込みから集計まで、全部ブラウザの中で計算しています。サーバーに送る処理は持っていません。そのうえで、ページの設定で外部への通信そのものを止めています。
保存されるのはレシピ(手順)だけで、読み込んだデータ本体はタブを閉じれば消えます。一度開けば、通信がない状態でも動きます。
試してみるには
サイトに、架空のデータで作ったサンプルCSVを3つ置いています。
- 教材費_2026年09月.csv(学年・氏名・請求額・入金額。Shift_JIS)
- 教材費_2026年10月.csv(翌月分。レシピの再利用を試す用)
- 部署別支出_2026年度.csv(日付・部署・品目・金額。UTF-8)
9月分で手順を組んでレシピを保存し、10月分を開くと、レシピが提案されるところまで試せます。初めて開いたときは、4画面の操作ガイドが出ます。
僕のパソコンで計ったところ、10万行×30列(約15MB)のCSVの読み込みは約0.7秒でした。
作っていて詰まったところ
最初は、画面の文字に BIZ UDPゴシックを使っていました。ところがこの書体だと「_」(アンダーバー)が表示されず、教材費_2026年09月.csv のようなファイル名がちゃんと読めませんでした。いまは Yu Gothic UI を優先しています。
計算式の -2^2 も迷いました。数学なら -4 ですが、Excel は 4 を返します。事務の人は Excel の結果に慣れているので、Excel に合わせて 4 にしています。
まだできないこと
今は第1版です。別のCSVとの結合、4月〜3月分のファイルの縦連結、前年度との比較、Excel ファイルの直接読み込み、和暦の日付には、まだ対応していません。次の段階で入れる予定です。
使ってみて「ここで止まった」「こういうCSVが読めない」ということがあれば、X(@eito_0110)か、自己紹介サイトの問い合わせフォームから教えてもらえるとうれしいです。